愛媛大

      






進行形の本質

まずは、次の2つの例を比較してみてください。


彼と会った時、彼は「はい」と言った



When I met him, he said yes.



彼を訪問した時、彼は本を読んでいた



When I visited him, he was reading a book.            


両者の違いは、上の例が「私は彼がはいと言った動作を初めから終わりまで全部見ていた」ことを意味するのに対し、下の例では「私は彼が本を読む動作の一部しか見ていない」ことを意味する点にあります。訪問した時にはすでに彼は本を読んでいたわけですから、本を読み出した時の彼を見ていないのです。


 主節が示す動作の始まりから終わりまでのすべてがその時間内に行われたならば、進行形を使いません。(上の例でいいますと、会っていた時間内に彼は「はい」と言い始めそして言い終えた。)

 連続する動作の途中の一場面だけがそのとき進行していたならば、進行形を使います。(私が訪問するまえから彼は本を読んでいて、訪問した時に見た光景は、「彼が本を読む行為」全体の一部分に過ぎない。)



進行形を使うと、「動作開始」から「動作終了」までのワンシーンだけを取り出して見ている感じになります。結果、「〜している最中です」という訳が生まれます。



簡単判別法

 「〜したとき・・・した。」と訳すものは進行形にしない。

例) 電話が鳴ったとき私は転んだ。
  (×)  When the telephone rang, I was falling down.
  
(〇)  When the telephone rang, I fell down.

 「〜したとき・・・していた。」と訳すものは進行形にする。

例) 電話が鳴ったとき私はテレビを見ていた。
  (×)  When the telephone rang, I watched TV.
  (〇)  When the telephone rang, I was watching TV.




自然な日本語訳をまずつくってみよう〜



問題文の訳を考えてみましょう。
「私が祖父と会ったとき祖父は庭の中を歩いた。」
「私が祖父と会ったとき祖父は庭の中を歩いていた。」

厳密に言いますと、「祖父にリハビリの必要があり会ったときに手助けして歩かせた」という状況とか、「老人性痴呆のため人を見るとなぜか庭を徘徊してしまう」という状況であれば、「ア」の訳が成立します。実際、この意味であれば「walked」を使わなければなりません。

しかし、特殊な状況よりも一般的な状況のほうが入試問題では「より適切な解答」とされるため、この問題文の訳は「イ」がベストであると考えなければなりません。「していた」と訳すことから、過去進行形を正解にします。






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