明海大

      







「分詞」とは?

分詞
には、現在分詞過去分詞の2つがあります。

現在分詞

「〜している」と訳せる「-ing」のこと

進行形の文に使う「-ing」や、「a crying baby」(泣いている赤ちゃん)のように「〜している」と訳すことができる「-ing」が現在分詞です。動名詞と区別することが求められますが、それは別の問題で扱うことにしましょう。


過去分詞

「される」「された」と訳せる「-ed」のこと


受動態の文に使う「-ed」や、「the washed car」(その洗われた車)のように「〜された」「〜される」と訳すことができる「-ed」が過去分詞です。
不規則変化をする動詞では「-ed」ではなく独自のかたちになります。動詞の過去形と区別することが求められます。





分詞の形容詞用法


 泣いている赤ちゃん  
英語では、
「a crying baby」
● 「〜している」のは後ろの名詞である「赤ちゃん」です。

● 「crying」は「baby」を修飾しています。名詞にかかるものを形容詞ということから、この用法を分詞の形容詞用法と呼んでいます。

● 例文
  Look at that sleeping dog.
     (あの眠っている犬をごらんなさい。)



 洗われた車  
英語では、
「a washed car」
● 後ろの名詞が「wash」するのではなく、「wash」される立場にあります。このとき、現在分詞ではなく、過去分詞を使います。

● 「washed」は「car」を修飾しています。名詞にかかるものを形容詞ということから、この用法を分詞の形容詞用法と呼んでいます。

● この用法では、「〜された」以外の意訳が可能です。つまり、「洗われた車」を「洗った車」と訳してもいいわけですよ。同様に、
入試で「壊れた茶碗」とあったら頭の中で「壊された茶碗」と直訳に変換しなければならないのです。名詞がある動作をするのではなく動作を受ける立場にある場合は、すべて過去分詞のほうを使います。

● 例文
  The broken cup is Tom's.
     (その壊れた茶碗はトムのものです。)
    
※ 「The broken cup」が文の主語

● 上記の例を使って言えば、次のことが言えます。
・The cup was broken.(その茶碗は壊された)
・・A
・The cup was breaking.(その茶碗は壊れかけていた)
・・B
 
※上記の例で、茶碗はすでに壊れてしまった後だと考えるのが妥当であるため、
の状況が当てはまり、ゆえに「broken」を使うと考えます。

 ※ 逆に、「壊われかけている茶碗」なら「the breaking cup」となります。




 ベッドの上で泣いている赤ちゃん  
英語では、
「the baby crying on the bed」
● 分詞が他の言葉を伴っているときは、名詞を修飾する語句はすべて後ろにまわります。後ろから名詞を修飾します。

(注意)
 
「There is a crying baby on the bed.」は、A crying baby is on the bed. の倒置文です。この場合、on the bedは、crying babyを修飾していません。
 これは、「There is a book on the desk.のon the deskを「机の上の本」と訳さず「机の上に本が」と訳すことからも明らかです。


● 例文
  I want to know about the boy sleeping under the tree.
     (木の下で眠っている少年について知りたい。)


● 上記例文は、関係代名詞を使って次のように書き換えることができます。
   =I want to know about the boy who is sleeping under the tree.



 トムによって洗われた車  
英語では、
「the car washed by Tom」
● 分詞が他の言葉を伴っているときは、名詞を修飾する語句はすべて後ろにまわります。後ろから名詞を修飾します。

 
(×) a washed car by Tom


● 「washed by Tom」(トムによって洗われた)「car」を修飾しています。


● 例文
  The cup broken by Tom was expensive.
     (トムが壊したその茶碗は高価なものだった。)
     
※ 「The cup broken by Tom」が文の主語
    ※ 「トムによって壊された茶碗」が直訳


● 上記例文は、関係代名詞(that/which))を使って次のように書き換えることができます。
   =The cup that was broken by Tom was expensive.

     ※ 「The cup that was broken by Tom」がこの文の主語




問題考察

この問題は、「injure」の用法が分からないとつまずいてしまいます。「injure」には「主語が怪我をする」という意味はありません。あくまで、「主語が〜を傷つける」「主語が〜に怪我を負わせる」という意味なのです。ですから、能動態では必ず目的語を伴わなければなりません。(受動態では、その目的語が主語に移動します。)

(×)
He injured in the accident.←目的語がないので不可
(○)
She injured her arm in the accident.
(○)
The man was injured in the accident.
      (その男はその事故で怪我をした。)
      第3文型の受身

「be injured」は、直訳すれば「傷つけられる」ですが、ふつう「怪我をしている(する)」「傷ついている」などと訳します。 逆に、「彼は怪我をしていた」は、必ず受身にして「He was injured.」とすると覚えておいてください。


ここまでわかれば、あとは簡単です。この問題文の主語「事故で怪我をした男=事故で怪我をしていた男」を一度関係代名詞を使って書いて見てください。

 ・the man who was injured in the accident
  
このように書けばよいとわかります。

そこで、先ほど述べた書き換えを思い出しましょう。
I want to know about the boy sleeping under the tree.
=I want to know about the boy who is sleeping under the tree.


The cup broken by Tom was expensive.

=The cup that was broken by Tom was expensive.

そうです!
「関係代名詞を使って書いたもの」から「関係代名詞+be動詞」を消去すれば、分詞を使った正しい英文が得られるのです。

 ・the man who was injured in the accident
により、選択肢2が正解だとわかります。



分詞の形容詞用法の問題は先に関係代名詞を使って書いてみるといいかも〜



選択肢1→「injury」は名詞で「負傷」「損害」の意。「to + 名詞」の選択肢。「□ to injury」は「怪我をし(てい)た□」という意味になりません。

選択肢2→分詞の形容詞用法で正解。

選択肢3→分詞の形容詞用法。しかし、上で述べた理由により、現在分詞ではなく過去分詞のほうを用いなければなりません。

選択肢4→これだと、「accident」の後ろにピリオドを打たなければならなくなりますね。






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